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Miho Sato

Author:Miho Sato
「舟遊び みづは」運営主体の、株式会社フローティングライフ代表取締役。
江戸の人が遺してくれた東京の水辺は貴重な財産。数名で貸し切れて、江戸工芸に触れて楽しみながら、ゆったりと江戸の粋や情緒、名橋の数々を満喫できる舟遊びを提供します。
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ツイッターでもつぶやいてます:@mihobjm

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08月17日(水)

閘門て、なに?そもそも読み方わかんないし、どこにあるの?

閘門(こうもん)、河川を通航する人にとっては親しみのある言葉ですが、そもそも閘門なんて言葉、耳にしたこともない、という方は多いと思います。イントネーションは、「こう」のほうに付きます。

閘門というのは、水位が異なる川や運河で、水位差を調整して船を安全に通航させる装置です。急流下りやラフティングなど舟が岩の間を通り抜けながらスリルや水しぶきを楽しむものもありますが、基本的にそれはレジャーやスポーツの範疇。大型輸送船や旅客船は前のめりにガンガン通航するわけにはいきません。だいたいそんなことしたら、船底割れるは、物資や人はころがるわ。。。

そこで、川のある箇所で前後に門を設けて、両方の門を閉じた閘室(こうしつ)という空間の中で水位を変え、進む先の川の水位と合わせて船を通すのです。水位高⇒低だけでなく、水位低⇒高の通航もできます。通航のしくみの図解は、東京都の江東治水事務所のHPにGIFアニメがあります。規模は全く違いますが、パナマ運河と同じ方式です。
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/chisui/jigyou/suimon/sisetu/ougibashi_drive.html

その閘門、意外と身近なところにあります。江東区の小名木川にある扇橋閘門。
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陸上からだと、最寄駅は半蔵門線か都営新宿線の住吉。隅田川、荒川、東京湾に囲まれた江東デルタ地帯は、その大部分が海抜ゼロメートル以下。その地域にある小名木川では、木下川排水機場から、荒川に水を排水して水位を低く保つことで、水害を防止しています。ところが、小名木川の西方面は、隅田川に通じており、東京湾の干満の影響で2メートル前後水位が変動します。その為、閘門を設けて、東側の水位を低く保つと同時に、東西の水位差を調整して船の通航に支障のないようにしています。

幸い、扇橋閘門は通航の事前申請はいらず、日曜祝日以外8:45~16:30までの間であれば通ることができます。そして、夏休み中の一定期間、この施設の運転・監視室の一般開放が行われます。その際、普段は使えない閘門付近の防災桟橋も開放されるので、船で行って上陸し、施設内部を見学するプログラムを実施することになりました。ブログのお知らせ欄に詳細を載せましたが、8月24日(水)の午前と午後実施します。

話だけだと「ふーん。そうなの。」という感じですが、実際に船で水位の上下を体感したり、門があがった時の水滴を体験するすると、「おー、そういうことか」とわかると同時に妙に楽しいんですよね。
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平日なので、参加が難しい方が多いとは思うのですが、たまたま夏休みの方や宿題に困っているお子さんなどが気軽に来てくれたらいいな、と思っています。「土曜日なら行けるのに」という声も頂いているので、団体見学の事前申込制度を使って、土曜日のプログラムもいずれ企画したいと思います。
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08月21日(日)

橋と人のコラボミュージック「名橋たちの音を聴く」

友人のCさんが誘ってくれた、東京ドームの巨人対ヤクルトのデーゲーム。増渕のナイスピッチングでヤクルトが勝ったところで、気分よく日本橋へ。都市楽師プロジェクトのイベント「名橋たちの音を聴く」に参加するためです。

今日は橋のたもとのライオン君に真下からご挨拶。見れば見るほど狛犬か獅子舞のカシラ。。。
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この催しは、船の上で声楽や打楽器を演奏するもの。傭船はジールさん。
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まずは、打楽器の岩附智之さんのドラムロールでスタート。アンプもマイクも使わないナマ音。上の高速の高架に反響するのがびっくり。
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船は、まず上流に向かい、西河岸橋、一石橋、常「盤」橋、常「磐」橋をくぐってUターン。
青山学院大教授の鳥越けい子さんが、日本橋川のサウンドスケープの解説をし、辻康介さんが声楽。ちなみにサウンドスケープとは、普段の生活や周囲の環境の中にある音の風景のこと。
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常盤橋の蔦がみずみずしく感じます。18時近くとあって、既に灯がともっています。
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タンバリン、小太鼓、ベル、風鈴を使った即興や、ルネサンス期や中世の歌などが披露されます。橋の下を船はゆっくり進みます。特に響きが良かったのは江戸橋。
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そこでアヴェマリアを歌ってくれたのですが、目を閉じると、まるで大聖堂で聴いているような響き。ここでグレゴリオ聖歌を聴いたらかなり良さそうです。「声を出してみましょう」と言われ、皆で声を出すと音の塊がウワンウワンと唸り、音のバリアの中に入れられたみたいな感じで、面白かったです。

また、日本橋川で聞こえる騒音は、80デシベルあるそうですが、「耳を澄ましてどこでどんな音が耳に入ってくるか感じてください」と言われ、意識して聴いてみました。すると、橋の上の道路を走る車の音、首都高の走行音、継ぎ目のゴトンゴトンという音などが、発生源の場所の位置の違いと共に聴き取れるのです。船上の音楽を聴いていると遮られる街の音が、音楽が止んだ途端にフッと耳に入ってくる。その繰り返し。不思議な体験でした。

船の上で演奏して、音を橋裏にぶつける、なんてユニークな試みではありますが、古来舟遊びでは音曲は欠かせぬものでした。浮世絵に出てくる舟遊びでも、三味線を弾いている図を見かけます。クルーズするだけでも楽しいものですが、その開放感に加えてお気に入りの音楽をお供にしたら、更にリラックスできそうですね。
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08月26日(金)

機械の裏には人がいる-扇橋閘門運転・監視室見学

8月24日に江東区の扇橋閘門の運転・監視室の一般公開に合わせて、船で施設見学に訪れて閘門通航も体験するツアーを実施しました。閘門は何度も通過していますが、運転室に伺ったのは初めてだったので、その模様を少し。閘門の仕組みや機能については、8月17日の記事をご覧下さい。

当日は暑い1日でしたが、午前便、午後便それぞれ約30名の方が参加してくださいました。私はその日がガイドデビュー。しかし、PCで作った資料を印刷しようとしたら、プリンターのトラブルに見舞われ、記憶を頼りにアンチョコなしで説明するはめに。何かあったら、ガイド経験もバッチリの船長さんの助っ人を期待して少しドキドキしながら出航。

実際にやってみると、船のスピードに自分の説明が追いつかなかったり、早く言いすぎてしまったり。また橋の建造年を細かく暗記していなかったので、「○○年前後」などという説明になってしまいました。もっと勉強して、余裕を持ってガイドできるようになりたいですね。でも、ガイドというのはやはり美声のほうがいいよなあ、ということも痛感。私は声が低くて、こもってしまいがちなのです。せめて発声で生まれつきの欠点をカバーするようにしないといけないですね。

さて、亀島川から日本橋川を通って、船は小名木川の扇橋閘門へ。まず水位の高い西側から、水位の低い東側へ抜けます。閘室内の水がどんどん排水されて2m以上水位は下がります。初めての皆さんはそのスピードに驚いていた様子。
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水のしたたる後扉を傘を差して通り抜けた後、その日は工事用の船舶が多かったので、またすぐ閘室へ逆戻り。今度は水が西側からじゃんじゃん入ってきてあっという間に水位が上がり、無事通航完了。

見学に合わせて桟橋も開放されているので、こちらに船をつけて見学開始。
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運転・監視室から見る閘門の姿。
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江東デルタ地帯が水害に悩んでいた当時の写真も展示されています(会場写真より)。
当時は、下水道の排水能力も低かったので、一度浸水してしまうと、一ヶ月ぐらい水が引かないこともあったと聞いて驚きました。
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閘門の開閉・運転状況を示す電光掲示板。
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閘門に向かってくる船舶を東西で監視するモニターもあります。
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午前便は残念ながら無かったのですが、午後便では所長さんの説明や運転の実演もありました。全員に資料やお土産をくれるサービスも。子供用と大人用とお土産も分かれていたり、なかなかキメ細かいです。
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閘門の扉の前に来るとさっと開けてくれて、閘室の水位調整も早い扇橋閘門。閘門に入って通過するまで、6、7分です。船が閘門に来る随分手前からチェックしてくれていたのですね。装置のキャパの高さもあるでしょうが、運転する方々のキチンとした仕事ぶりによって安全に、そして速やかに通航できることのありがたさを感じた一日でもありました。次回から閘門を通る時は、単に施設を利用する以上に、そこでオペレーションをしている方々のことも思い浮かべられるようになったので、また楽しくなりそうです。
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08月29日(月)

すり足って難しい~、謡って気持ちいい~@能楽セミナー

夏はやっぱり船のシーズンということで、このところ川や船の話題が多かったですが、久しぶりに伝統芸能ネタを。先日能楽セミナー第一回に行ってきました。中野坂上の駅から7,8分歩いたところに突然表れる「武田修能館」。足袋に履き替えて入った部屋にはいきなり能舞台が。

ここは観世流のシテ方でセミナーの講師を務めてくださる、武田宗典さんのお稽古場です。舞台正面には能舞台お約束の鏡松。春日大社の影向(ようごう)の松を写しているのだそうです。舞台の大きさは、三間四方といい、約5.4メートル四方。

さて、セミナー開始なのに講師がいない?と思いましたら、奥から自ら謡いながらしずしずと舞台に出て来て、ひとさし舞って下さいました。その声の通りの良さと迫力に身体が押されるような感じ。でもトークが始まると、優しげでお育ちの良さそうな武田さんです。

能は元々は特権階級のための芸能であり、能楽師達は大名に抱えられていましたが、庶民も見られる勧進能の開催などによって次第に身近になり、江戸庶民が謡いの稽古をすることが教養の一つであったそうです。私の能の初体験は、高校生の時、学校で見に行った「忠度」。授業で事前に勉強していったものの、場面が変わったんだかどうなんだか、声も朗々としているけど、踊りは静かだし、幽玄の世界を理解するというより、自分が幽玄の世界に入って、スヤスヤしてしまったことを覚えている程度。その後も数回鑑賞する機会がありましたが、狂言に比べてとっつきにくく、敷居が高いままでした。

今回は、能楽の基礎や鑑賞のポイントを教えていただけるということで参加。早速能舞台に上がってお扇子を借り、すり足の練習です。流れるような美しいすり足は、ムーンウォークの前進版みたいな感じですが、実際にやってみると、力んでしまって、うまく前に進めません。また足元を見ず、正面を見据えて左右の足をぴたっと揃えて止まることの難しさはやってみて初めてわかりました。自分の足の指の関節をかなり意識しましたね。

そして、サシ込開(さしこみひらき)という型を教えてもらいます。すり足で進みながら、扇を持った右手を自分の目の前に上げ、今度はすり足でバックしながら両腕を開くというもの。足に神経が行ってしまうので、どうもぎこちないですが、遠くに視線をやりながら扇を構えるとちょっとピシッとします。その後、能の構えでのちゃんばら体験もあり、身体を動かしたところで、今度は謡。

結婚式でよく謡われる「高砂や、この浦舟に帆をあげて」で有名な「高砂」の中から、「四海波」(しかいなみ)という部分を教えてもらいます。この部分は高砂というおめでたい曲の中でも最もおめでたいところだそうで、能楽師の結婚式や年始の祝いなどで必ず謡われるそうです。

武田さんの節に合わせて謡っていきますが、音符があるわけではなく、音の上下を聴きながら必死にテキストに書き込み、自分たちで再現していきます。音の上下が少ないところは大きい声を出せるけれど、ちょっと自信のない部分は、声が小さくなります。でも、カラオケとは違い、大きく口を開けて顔の筋肉も使いながら背筋を伸ばして謡うのは気持ちがよくて、けっこう体力も使いました。「謡は血行が良くなるので、寒い時に謡うと身体が暖かくなるんですよ。」と武田さんはおっしゃっていました。

初回だけで、だいぶ敷居が下がりました。プロの方々のどんな所がすごいのか、素人なりに具体的にわかるようになるのが、こういう体験型セミナーの良いところですね。次回は装束や面を見せていただけるそうなので、これもまた楽しみです。

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